7歳年下の彼に告げられた突然の別れ

12年付き合った彼氏に突然の別れを告げられたのは、去年の正月だった。

その日、彼は韓国から出張で帰ってきたばかりなのに、出迎えた私にいつものように笑いかけてはくれなかった。その時、違和感は感じたものの、「疲れているのかな」と思っただけで、気にも留めていなかった。

突然、別れを切り出す彼

荷物を片付けて、ちょっと一息ついたとき、

「ちょっといいかな」

と言われて、ダイニングのテーブルに二人で座った。そして、彼は

「ごめん、俺、好きな人ができた」

最初、何を言っているのか、よくわからなかった。

彼は私より7歳年下で、すでに12年同棲している。結婚はしていないものの、このまま二人で年をとっていくんだと思ってた。そんな、彼から突然別れを告げられるなんで、予想もしていなかった。

「別れたい」

念を押すように彼はそう言って、じっと私の様子をうかがった。

彼には年下の女がいたという事実

私の頭の中は、真っ白で、いったい何を言えばいいのか、とっさにわからなくなった。

「別れたいって、私と・・・?」

「うん」

彼は、私の沈黙に耐えられないように、新しい彼女のことを話し始めた。

彼女は彼よりも5つ年下で、3か月前、上海への出張のときの飛行機上で知り合ったらしい。彼女は同時、上海に留学していて、今は韓国にもどっている。最近彼が韓国出張が多かったのは、すべて韓国にいる彼女に会うためだった。もちろん、今回も。

その彼女は、日本に来るつもりでいて、二人でいっしょに住むという話にまですすんでいるという。

「ちょっと、待って!」

やっとの思いで、口に出した。

結婚を望んでいなかったわけじゃない

「その彼女は日本に来るつもりでいるの?」

「うん」

「ここに? いっしょに住むつもり?」

「うん・・・」

「・・・結婚するの?」

「したいと思ってる」

私には離婚歴がある。だから、昔彼が籍は入れたくないと言ったとき、それでも別にいいと思った。結婚という形式に縛られるのに、嫌気がさしていたという気分もあった。でも、だからといって、彼と結婚したくなかったわけじゃない・・・!

「彼女は、年下なの?」

「うん、5つ下」

怒りが突然やってきた。

「私は、・・・私とは、12年一緒にいて、結婚したくないって言ったクセに、私より若くてきれいな、3か月前に出会ったばかりの韓国女と結婚するわけ・・・?!」

くやしいことに、涙があふれてきた。

彼は、いたずらをして叱られた子どもみたいに、黙った。

怒りと悲しみが襲ってきた

「私は・・・、私は、このまま、ふたりで年をとっていくんだと思って・・・」

涙で声が出なくなった。自分でも、こんなに冷静でいられなくなるとは、意外だった。彼のことを失いたくないと思った。

でも、同時に、彼女と知り合ってから3か月も、私に彼女との関係を秘密にしていたことが腹立たしかった。今まで、浮気を疑ったこともなかった自分がバカのように思えた。彼は不誠実だと思った。でも、彼のことを責めたくても、嗚咽で言葉にならない。

自分でも「結婚」にこだわっているつもりはなかった。でも、「結婚」という言葉が、私の胸に痛いようにしみた。

彼は、困り果てていた。私がこんなに取り乱すとは、思っていなかったのだろう。

「今で、結婚したいなんて、言わなかったし」

彼のこの言葉に、怒りが爆発した。

「どうしてよ! 結婚したくないわけないでしょ。12年も一緒にいたのよ? 私、今いくつだと思ってるの?! もうすぐ40になるのよ! 今から新しい人を見つけて、結婚しろっていうの? 私の12年って、何だったわけ? 冗談じゃない!」

言葉と涙が止まらなった。

「結局、若い女が好きなだけでしょ?! 今すぐ出て行って! 私の前から消えてよ!」

彼との12年の終わり

彼は、息をのんだように黙り込み、そして、低い声で言った。

「わかった」

これで、終わりだと思った。彼を失うんだと。それでも、私たちの12年が終わることは、まだ実感できなかった。

彼は、荷物をまとめ始めた。引き止めたかった。でも、私にだって意地がある。それに、彼のことを許す気にはならないし、不実をはたらいた彼のことを「汚い」と思った。

「あとの荷物は、あとで取りに来る」

ドアが開いて、閉まり、彼は出て行った。私たちの12年は終わった。